院長のつぶやき   
 

このコーナーでは、日常生活で起こったこと、社会で起こったこと、医療に関すること、介護保険制度に関すること、パソコンのことなどについて、つぶやいたことを書き込んでいきます。つぶやきなので内容的に浅く、個人的な意見として捉えてください。(2002年7月14日、日曜日、内村内科 院長 川上秀一)

」7月31日(水曜日)、おとといの昼のテレビ番組で「説得のプロ、コンビンサー。30年間部屋に閉じこもっている人を説得して精神病院に入院させる」という場面を放映していました。コンビンサーという言葉は聞いたことがありませんでしたのでGoogleで検索するとシートベルトコンビンサーに関するサイトがたくさん出てきました。それにしても30年間引きこもっていた部屋はすごかった。大学時代に同様な生活環境にいた友人をふと思い出しました。友人の部屋は床上20センチほど新聞紙や雑誌が散乱していて本当に座る場所がありませんでした。しかし、彼は今ではりっぱな社会人になっています。また、番組で印象的だったのは、説得のプロが説得できず、そのお弟子さんの20代の若い男性が説得できたことです。引きこもりの始まった20才ぐらいで精神年齢が止まっているため若い人に対して心を開いたようでした。私の医療対象者は精神疾患の方ではありませんが、痴呆老人に対して説得することはあります。しかし、この番組であったように何時間もかけて説得したことはありません。よい勉強になりました。

」7月30日(火曜日)、在宅ケア支援グループ「パリアン」の「がん患者の在宅ケア実施医療機関データベース」に登録されました。鹿児島県は、堂園メディカルハウス内村内科の2施設でした。県内には他にもがん患者の在宅ケアに力を入れている施設はあります。

」7月29日(月曜日)、本日、つぶやきコーナーだけ、マイナーリニューアルしました。私の師匠から新しい日が上にあった方がいいと言われましたので、そのようにしてみました。それから7月19日の内容を一部訂正させていただきました。クレームはないのですが、自分でも少し形容がよくないと思いましたので。
 さて、「ろうけん青空」のホームページが、リニューアルされました。是非、みなさん、ごらんになってください。本当に青空というイメージです。

」7月27日(土曜日)、とうとう医療制度改革関連法案が参議院で強行採決されました。来年4月からサラリーマンの医療費の自己負担は3割になります。これでかなりの受診抑制がかかり、数年のうちにそのしっぺ返しが個人と国民に来るのではないでしょうか。診療費が上がると自覚症状がないからと高血圧症・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病の治療をやめてしまう人は多いのです。その人たちは数年のうちに合併症をおこして病院にくることになるのですが、却って診療費がかかるようになります。
 在宅医療の分野は、厚生労働省がこれまで後押ししてきた分野ですが、老人1割負担になると敬遠されることは目に見えています。老人やその家族は、苦労して自己負担金の大きい在宅医療を続けるよりも、楽で安上がりの施設入所の方がいいと考えます。そうなったら国は施設をつくるために多額の予算を組まないといけません。これは税金として国民に負担させられます。だから、目先だけの改革ではいけないのです。現場をよく知った医療従事者の意見も反映しなければ机上の空論です。改悪です。

」7月26日(金曜日)、このコーナーは外来診察前に短時間で書くようにしていますが,今朝は台風9号の影響でしょうか,とにかく忙しすぎて書けませんでした.
 昨日,無事「ろうけん青空」の上棟式がありました.訪問診療を済ませて上棟式に向かう車の中で,台風9号の激しい雨風を見ながら冗談まじりに「ろくけん青空」ではなくて,「ろうけんタイフ〜ン(typhoon)」だなあと看護師らに話しました.つまり,介護は台風に似ているのではないか.大きな介護が必要な人,小さな介護ですむ人がいます.近づけば,どんどん介護に巻き込まれ忙殺されそうになります.離れてみていれば影響はないのです.そして,時間が経つといつかは台風は消滅してしまうと不謹慎なことを考えました.台風9号のせいで吉野の青空が見えなかったからいけないのです.(介護=台風とは.ごめんなさい)

」7月25日(木曜日)、連日、中国産健康食品による重篤な肝機能障害(劇症肝炎)の報告が相次いでいますが、中国産健康食品以外にも市販の健康食品によると思われる肝機能障害があるというのが私の意見です。私が以前勤めていた宮崎県内の公立病院でのこと、あるC型肝炎の患者さんにインターフェロン治療をおこなっていました。インターフェロン治療を開始して2週間でトランスアミナーゼが下がり始め、治療がうまくいっていると主治医(私)も患者さん本人も喜んでいました。しかし、治療半ばにして、急にトランスアミナーゼが上がってきました。おかしいと考え、訊いてみると○○○というよく新聞広告にある健康食品を飲み始めたということがわかりました。それをやめると再びトランスアミナーゼが正常化しました。当時、別のC型肝炎の患者さんも○○○という健康食品を飲み始めて肝炎が悪くなりました。やめるとトランスアミナーゼ値が正常範囲になりました。どうも「健康」とか、「食品」とかいう言葉で副作用はないと安心して飲まれるようです。「薬」には副作用があるが、「健康食品」や「漢方薬」にはないと誤解している人が少なからずいることは事実です。

」7月24日(水曜日)、昨日の鹿児島市の最高気温は摂氏34℃でした。訪問診療するにはとても暑くてしんどいでした。それなのにやはりおられました、こんなに暑いのに昼間から雨戸を閉め切って35℃以上もあると思われる部屋にいる老夫婦が。玄関に入るなり、異常に暑い。顔がひりひりしてサウナルームに入ったようでした。老夫婦とも痴呆があります。特におじいちゃんはひどく、しかも主導権を持っておられるので、戸締まりはおじいちゃんの命令で行われていました。過酷な環境で診察しました。「夜、寝汗が多い。風邪をひいているからだろうか。」と質問されました。訊くと、毛布と薄手のかけ布団をかぶって寝ているという。それは、汗をかかない方がおかしい。こんなに暑いのだからエアコンを使ったらどうですかと勧めてみました。「電気屋さんがエアコンの掃除をしてくれるので待っているのだ。」と答えます。電気屋さんとの約束を守るために、こんな過酷な環境で、この老夫婦は暮らしているのです。ヘルパーさんに簡単にエアコンの掃除をして部屋を快適な環境にしてくださいと頼んで帰りました。

」7月23日(火曜日)、昨夜は鹿児島市医師会の支部会がありました。鹿児島市医師会病院の改築報告や10月から施行される新しい医療保険制度の説明などがありました。楽しい話はほとんどありません。簡単に言えば、医療サービスを提供する側の仕事は増え、それを実行しなければ減収につながるのです。また、患者さん側にも経済的な負担が増えるということです。困ったことに、患者さんの中には、負担額が増えるとその分は病院のもうけだと信じている人がいることです。例えば、老人の一部負担金は、530円→800円→850円と増えてきましたが、その度に「病院はもうかるなあ」と言う人がおりました。マスメディアがくり返し正しく医療保険制度を国民に伝え、よりよい制度に変えていこうという気運を高めてほしいと思っているのですが、医療費を抑制しようという経済的な面ばかり議論されています。医学はヒトをあつかう科学であるはずなのに、経営的なことや医療保険制度・介護保険制度の詳細なことを勉強しなければやっていけません。‥‥‥延々とぼやきが続きますのでやめます。

」7月22日(月曜日)、今週25日木曜日には「ろうけん青空」の上棟式が予定されています。上棟式が済んだら「ろうけん青空」のホームページをリニューアルしたいなあ。ぐ〜と、青空のイメージで。

ろうけん青空完成予想図

」7月19日(金曜日)、介護支援専門員(ケアーマネージャー)の中には、とてもしつこくて一方的な人がいるようです。昨日、当院に一人の独居老人が入院しました。話によると、連日あるケアーマネージャーが自宅にやってきて、介護保険制度の説明やサービスの説明をするのだそうです。断ってもまたやってくる。しかも、(利用者本人の了解もなく)前のケアマネージャーの方と変わりましたので、これから私があなたのケアーマネージャーとして面倒をみますからと言ったそうです。それを聞いて、とうとう体調をくずし、喘息発作が出たり、不眠になったりして入院になりました。医療福祉の世界も競争ですが、やはりインフォームドコンセントがないと患者さんが不利益を被ってしまいます。

」7月18日(木曜日)、鹿児島県医師会報7月号に寄稿しました。医療の現場でMacが活躍していることを紹介しました。「パソコンは○○な道具である」

・7月17日(水曜日)、きょうはMacのことを書きます。マックユーザーなら今夜ニューヨークから嬉しいニュースが入ってくることを期待しています。OS Xがさらに進化して10.2(Jaguar)にバージョンアップします。RendezvousやiChatなど様々な先進的な技術が盛り込まれているようです。早速、昨夜、Quick Time 6 をダウンロードしました。Jaguarで標準装備になったMPEG4とDVD標準のMPEG2の使い分けに悩んでいたのでQuickTime6を調べて、今後のマイホームのビデオ編集管理の方針を決めたいと思っています。

」7月16日(火曜日)、台風7号は予想より東寄りのコースをとったので、幸い当地鹿児島の吉野台地では大した影響はありませんでした。(よかったよかった。)しかし、メディアは大型で強い台風のことをくり返し伝えていたので、きのう訪問診療した一人暮らしの老人のなかには、暑い昼間から戸を閉め切って夜の台風に備えていました(10人中2人も)。聞くと自分で戸締まりができないからヘルパーさんに早々と家の戸を閉めてもらったとのこと。それにしても、閉め切った部屋の暑いこと。脱水状態にならないように十分に水分を取ること。台風が過ぎたら戸を開けてもらうことを話して帰ってきました。

」7月15日(月曜日)、「在宅ケアをしてくれるお医者さんがわかる本」(全国版)同友館出版にのりました。P378にのっています。この本はガンのターミナル期の患者さんの在宅ケアに対応してくれるお医者さんをリストアップして紹介してあります。編者の和田努さんはこの本を企画したきっかけとして友人のお母さんがガン末期といわれ最期を自宅で迎えることになり、ガンのターミナル期の患者さんを支えてくれる医師や看護師を探すのに大変苦労したという体験を挙げておられます。定価2300円です。興味のある方は、本屋さんで買ってください。

」2002年7月14日(日曜日)、きょうから日常生活で起こったこと、社会で起こったこと、医療に関すること、介護保険制度に関すること、パソコンのことなどについて、つぶやいたことを書き込んでいきたい。つぶやきなので内容的に浅く、個人的な意見として捉えてほしい。
 さて、きょうは、日曜日というのに病棟から呼び出されて早朝5時から病院に来ている。9時からは何人かの在宅の患者さんの訪問診療をしないといけない。夕べも妻と話したのだが、入院施設を持った開業医は、結局1年中休むことができない。家族が犠牲になってしまう。家族とレストランに食事に行っても病院から呼ばれたら、食事もそこそこに帰って来ないといけない。旅行もできない。どうしても旅行したいのなら、高いバイト代を払って友人の医師や後輩の医師に頼まないといけない。あまり休んでばかりいると患者さんの信頼を失う。患者さんに対して自分の生活や家族をどれだけ犠牲にできるかということと患者さんからの信頼はほぼ正比例するようだ。診療所の医師は、通常一人なので、ここが精神的にも身体的にも辛いところである。幸い、私の場合、妻も医師なのでいろいろと頼りになるし、理事長にお世話になることもあります。スタートから、「つぶやき」ではなくて「ぼやき」になってしまいました(笑)。