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28日 日本在宅医学会開催(鹿児島)、3月1日ポスターセッションで発表(明輝会から3題)



28日(土曜日)
 第11回日本在宅医学会が鹿児島で開催されている鹿児島県民交流センターに昼から出かけました。中野会長の講演を聞くこととポスター展示を確認するためです。中野先生の講演は前にも増してパワーアップして楽しくも同じ在宅医療をおこなうものとして共感するところがあります。夜場所を移して行われた懇親会は300名以上の方々が出席し盛大なもので改めて中野先生の人脈の広さとITによる(中野先生は講演会では今はITではなくICTと言っておられた)を使って計画された第11回日本在宅医学会の成功には敬意を表したいです。
 さて、当院は明日3題のポスター発表をいたします。まず、演題を出して採用してもらったということで目標の半分を達成したわけで発表者やそれに関わった人たちに頑張り賞を上げたいです。後日、慰労会でもしたいと思っています。

 
挨拶しているのは中野先生ではありません。中野先生の恩師である丸山教授です。


27日(金曜日)
 学会用のポスターはA3サイズの光沢紙に印刷し明日は現地に貼るだけです。ホームページのリニューアルの件ですが、現在最終チェック中です。こちらも明日午後にはネット上にアップします。その新しいホームページには新たに書き直した「院長あいさつ」を1日早くここに掲載します。

 介護保険制度がスタートした2000年4月から私は内村川上内科の前身である内村内科の2代目院長とてここで仕事を始めました。それまでは宮崎県のある町立病院の勤務医であり、肝臓病を専門とする内科医でした。病院勤務医から診療所開業医に、肝臓専門医から何でも診る一般臨床家に、突然変異をしました。一般臨床家としてすべての診療に責任を持つということは大変なことですが、楽しくもあります。もちろん自分の守備範囲を知っていることは重要で専門医に紹介すべきと判断したら躊躇しません。
私は一人の患者さんを診るとき医学的な目だけで診るようなことはせず、なるべく一人の患者さんではなく一人の人間に接するように努めております。そのような接し方は、毎月来院する慢性疾患の患者さんや高齢者に対しては特にそうでないといけないと考えております。
さて、当院の診療方針ですが、外来診療においてはプライバシーに配慮し大勢の前で個人名を呼ぶことはせず、診察は四方を囲まれた明るい診察室で行えるように配慮いたしました。また、女性医師の診察を希望される患者さんには女性医師による診療ができるような体制をとっております。
外来診療には待ち時間短縮という問題がありますが、これを追求しすぎて診療の質を落とすことはできません。その対応策の一つとして当院では電子カルテを使用し、女性の医療クラークが電子カルテ入力を行うことにより診療効率を上げ、受付から会計までの時間短縮に努めております。
入院診療においては、急性疾患の治療にも長期療養にも対応できるように一般11病床と医療型療養8病床があり、内科疾患の治療を行うことはもちろんですが、胃瘻造設を行ったり、癌末期の医学管理を行っております。また、気管切開を受けた患者さんあるいは重度認知症の患者さんの入院も積極的に受け入れております。
3番目の診療として近年ニーズの高い在宅医療にも積極的に取り組んでおります。現在、約200人の在宅患者さんを診ていますが、その大部分の方々は24時間いつでも往診できる体制を整えております。
また、在宅で診療を受けておられる方々は介護サービスを受けておられるので介護支援専門員(ケアマネージャー)や介護サービス提供者と情報交換しながら診療を行っております。
このように当院は少子高齢化社会の中で地域に根ざした優しい温かい医療を実践し少しでも地域医療に貢献できないかと職員一丸になって日々努力しております。


26日(木曜日)
 アップルストアから電話が入りました。今自宅で使っているMacBook Proのバッテリートラブルに関する質問でした。約1か月ほど前から電池の持ちが悪く、約1週間前からパソコンの座りが悪くなりました。そして21日の土曜日にパソコンの裏を見るとバッテリーが膨れて変形していました。翌日、Apple Premium Resellerであるオプシア・ミスミに相談に行ったら修理対象項目になっているらしくすぐに対応してくれました。無料で新しいバッテリーが送ってくるそうです。
 コールセンターの男性は、「やけどはされませんでしたか。」「変な臭いを嗅ぎませんでしたか」と健康被害の質問をされて3分程度で終わりました。さすがコールセンターの電話対応はよく訓練されていて嫌な気分になりませんでした。
 さて、これから新しいホームページ用の院長あいさつを書かないといけません。きょうはここまでです。


25日(水曜日)
 いよいよ迫ってきた日本在宅医学会のポスター発表の予行を行いました。私を含めて3人の発表です。
 内村川上内科外来看護部門から「メーリングリストを利用した各職種間・各施設間の連携 ~法人内メールサーバーによる連絡網の構築~ 」、よしの訪問看護ステーションから「グループホーム入居者を中心にした連携とは~訪問看護の実際を通して考える~ 」、そして私が、「新しい「在宅」~高専賃における小規模多機能型居宅介護サービスと連携した在宅医療~」です。
 3人とも時間内にうまくまとめて発表できました。本番でどれくらいの注目度があるのか気になるところです。
 引き続いてホームページのリニューアルの最終打ち合わせをイーデザイン社さんとおこないました。今週末の公開に向けて最終チェックをしないといけません。学会発表と重なってチョーイソガシイ。


24日(火曜日)
 きょうの外来診療は恐ろしいほどヒマでした。午前10時になっても受診者が数名。結局1日で20人というとても少ない日でした。1人目が9時20分ごろの診察でしたが、それまでもそれからも何かあったのだろうかといぶかるばかりでした。
 しかし、神様はちゃんと考えて外来の仕事を減らしてくださったのかもしれません。病棟には大切な診察がありました。最期を迎える人がいて、私はその方の様子を伺うために何回も階段を登って訪室しました。2人目の胃カメラ検査が済んだときに電話で病棟に呼ばれました。


23日(月曜日)
 なかなかここを更新できずにいました。忙しかったというわけではなくてネタがなく書けなかったからです。実はきょうもネタがなく何を書こうかと思っています。
 まず、気候のことから。先週は寒い週で気分が沈んでいましたが、先週末から急に気温が上がってきて20℃近くになっています。訪問診療のときにあたりを注意して見てみると、いろんな花が咲き始め、春らしくなっています。
 暖かくなったからか、インフルエンザの患者さんが激減し、きょうはたった1人だけA型インフルエンザ陽性の患者さんがいました。きょうでインフルエンザ迅速診断キットがあと7人分になり、新たにキットを注文するかどうか迷っているところです。
 さて、今朝の朝礼で内村川上内科外来看護部門から発表予定者の外園副主任看護師が日本在宅医学会の模擬発表をおこないました。落ち着いた発表態度とよくわかる説明ですばらしかったと思います。彼女は3月1日の発表は大丈夫です。
 さらに一つ話題。先週亡くなられた患者さんの死亡診断書をある当直の非常勤医が書いてくださいましたが、翌朝それをよく見てみると、医療機関の種類と名前が間違って書いてありました。つまり、診療所であるのに病院に丸がしてあったり、内村川上内科なのに内村内科と書いてあったりと。これに関してはいろいろと思うことがありますが、きょうは割愛します。
 今週は、学会前でそれに関する準備が忙しいことと新しいホームページが来月からアップされるのでこちらの準備も忙しい。新しいホームページ用の院長挨拶文を書かないといけないと思っています。


19日(木曜日)
 1日冷たい雨が降りました。外来診療、病棟回診、訪問診療と普段と変わらない木曜日でした。


18日(水曜日)
 きょうは半日。午後にはイーデザイン社さんからふたりお見えになり、ホームページのリニューアルについてさらに詳しく話し合いました。本体部分をイーデザイン社さんに作っていただき、枝葉はこれまでどおり自由に自分たちで作ることになります。本体を作る必要がないので非常に余裕がうまれ、枝葉末節にいろんなアイデアを付けていくことができそうです。
 さて、今週になって外来で電子カルテ入力業務を行う医療クラークが11時ごろ交代することになりました。1人の医療クラークが9時から昼1時ごろまでずっと連続してパソコン入力をすることは非常に過酷な労働だとずっと感じていました。途中、水も飲まないし、トイレにも行けない状況はひど過ぎました。4時間も集中して仕事ができるはずがないのです。集中力が低下する結果、誤字脱字、数字の入力ミスなどがあったと思います。仕事内容を変えることによって気分を変えることは大切です。学校の授業だってせいぜい同じ科目は90分から120分だと思います。大きな意味のワークシェアリングです。


17日(火曜日)
 きのうから急に寒くなってきました。おとといまで春か初夏のような陽気だったのがおかしかったわけですが、寒暖の差が大きくてちょっと体調が悪くなりそうです。だからといってインフルエンザの患者さんが増えたわけではなく、外来は落ち着いた感じです。
 とくにつぶやきに書くこともなく苦しいところです。社会的な話題は今の麻生内閣の低落でしょうが、話題にするのもあほらしい状況なので書きません。
 明日はホームページのリニューアルの第2回打ち合わせがあります。リニューアルされたサイトはすっきりして情報を見つけやすそうです。イーデザイン社さんに20ページ作ってもらいましたが、明輝会のホームページ作製メンバーも一団になって今月末公開を目標にがんばっています。


16日(月曜日)
 朝礼でポスター発表の予行練習をしましたが、時間オーバーで途中でいやになってしまいました。もう少し簡潔に説明しないと最後まで集中して話せないし、聞いている方々も内容を理解できないでしょう。とにかく今日はよい練習になり、問題点を明らかにできました。来週の月曜日は外来看護師さんの発表の予行練習で水曜日は全体の最終チェックをおこないます。
 さて、きょうの外来患者さんの中にA型インフルエンザウイルスとB型インフルエンザウイルスにダブル感染している人がいました。臨床症状としては熱がほとんどないものの急な悪寒、倦怠感、関節痛と筋肉痛があり、問診でインフルエンザ感染症を疑いました。そこでインフルエンザ迅速診断キットを使って調べましたが、判定時間の15分が経過した時点では陰性と思いましたが、それから数分後に薄いバンドが2本出現して、これにはびっくりしました。気づいたのは看護師さんで15分の時点では私は陰性と判定しそのように患者さんに伝えてしまっていました。すぐにもう一度患者さんに説明しタミフルを処方したのです。


13日(金曜日)
 春一番が吹き黄砂が舞い上がっていましたが,雨が洗い流してくれました。
  きょうから今月末に鹿児島で開催される日本在宅医学会の発表ポスター作りを始めました。といってもすでに提出した抄録に沿ってどのように伝えるか思案ばかりです。発表時間5分がキーポイント。簡潔にわかりやすく伝える。昔は油性ボールペンで自分で字を書きながらポスターを作っていましたが、いまはパソコンであれやこれやと書き直すからポスター作りも非常に楽で短時間できれいなものができるはずですが…。しかし、やはり表現内容を熟慮しないとポスターになりません。月曜日の朝礼までに一応のポスターを作って職員だけに一次公開発表する予定です。


12日(木曜日)
 本日B型インフルエンザの患者さんが来られました。これまでずっとA型インフルエンザが流行っていましたから風向きが変わったというわけです。毎年B型インフルエンザが出始めると、インフルエンザ流行も終焉が近いということです。しかし、まだまだきょうもA型インフルエンザが多いでした。
 さて、きのうはiPhoneのマイナスな面をお伝えしましたが、iPhoneの便利な点を2つだけ披露したいと思います。
  1つ、クルマの運転中に外から電話が入った場合、iPhoneを触らずに会話ができます。ハンズフリーカーキットという名刺大の器械に内蔵されたスピーカーが鳴るのでハンズフリーカーキットをポンとたたくと相手の声が聞こえます。自分の声はハンズフリーカーキットに内蔵されたマイクを通して相手に伝わります。これはとっても便利でクルマの中だけでなくどこでも可能です。先日は部屋に置いておいて『1対多』の会話をしました。もちろん大勢はiPhoneです。iPhoneとハンズフリーカーキットはBluetoothという弱い電波でつながっています。ハンズフリーカーキットは8800円です。
 もう1つ。iPhoneにはGPS機能があります。つまり、位置情報を知ることができます。iPhoneで撮った写真をiPhotoというアップルのソフトに取り込むとその写真を撮った時間ばかりでなく撮った場所が一発でGoogleで示されるのです。これには驚きました。→


11日(水曜日)
 建国記念日でしたが、午前中は日直医として往診1件とちょっとばかり病棟で仕事をしました。書類も数枚書けたので充実しましたが、困ったことが起こっていました。それは早朝からiPhoneが見たこともないメッセージを出して使えなくなっていたことです。朝7時ごろ、下のようなメッセージに気づき何とか復旧を試みました。インターネットにいろいろやり方が出ていましたが、結局自分ではできないと判断し、すぐに病棟に携帯電話が使えない旨を伝え、緊急連絡体制を確保しました。
  仕事の合間にソフトバンクに行き、夕方まで預かってもらってやっと復旧しましたが、結局データをすべて失ってしまいました。データはパソコンとほとんど同期されているのであまり心配しなくてよかったのですが、最近のスケジュールだけが落ちてしまいました。やはりかねてからまめにデータの同期をとることが大事です。パソコンのデータも同様です。


9日(月曜日)
 7日土曜日のこと。自転車で通勤しました。自宅からクリニックまでクルマで7,8分かかるところを自転車で20分ちょっとかかりました。行きはほとんど上り坂なので息が弾み、足の筋肉はガクガクしました。クリニックに着いてしばらくしても何だかフワフワして気持ちが悪かったので血圧を測ってみると、予想よりも下の血圧(拡張期血圧)が高くなっていました。もう一度看護師さんに測ってもらいましたが、同じでした。
 朝起きて間もなく負荷のかかる運動をすることは体に悪いということがよくわかりました。歩けばよかったと思います。しかし、この日は突然クルマを使えなくなり、歩いて行こうかと思いましたが、外来診療時間に間に合わないといけないので自転車通勤を選んだのです。 使った自転車は古い15段切り替えのマウンテンバイクですが、タイヤやブレーキが少し傷んでいて快適なサイクリングとは言えませんでした。
 翌日、常時600台の自転車がある自転車のデパートに足を運びました。息子の自転車を買うのが目的でした。息子の自転車を買ったあと自分も欲しくなり、店員さんの説明を聞きながら自分に合った自転車を選んでもらいました。買うことはできなかったけれども今の自転車はすごいの一言です。この自転車ならばもう少し楽に通勤できるかもしれません。


6日(金曜日)
 今週は外来診療が忙しく診療時間内に終わることはありませんでした。午前は12時30分、午後は6時をもって終了ですが、今週はそれぞれ13時、6時30分と約30分オーバーでありました。外来診療後に病棟に入院している重症患者さんの診療やレセプト点検などをしています。遅く帰宅しますが、『だれやめ』を1杯飲むとぐったりとなりぐっすりと寝てしまいます。
 したがって2月に入ってからのつぶやきは写真掲載もなく、単調な雰囲気です。トップのタイトルカラーは雪景色をイメージしていますが、これもイメージダウンに加担しているようです。


5日(木曜日)
 2年近く履いた院内履を変えました。外見はそう傷んではいないし、履き心地もいいのですが、ちょっと臭いが気になったからというのがその理由です。私は自分の身に付けるものはあまり変えません。服などは10年以上着ているものはいくらでもあります。独身時代から着ているものもたくさんあってさすがに捨てました。新しい服や靴にすると気持ちも変わりいいのですが、さほど興味はありません。しかし、メカニカルなものには最新式を求めます。電化製品、パソコン、クルマなどについてです。同じ10万円と使うなら服よりのパソコンにつぎ込みたいという考えです。
 院内にあるパソコンは結構汚れています。私が専用に使うパソコンは比較的きれいでキズも少ない。それは時々手入れをしているからですが、他の場所にあるパソコンは汚れたり、張り物がしてあることが多いので気づいたらなるべく取り除くようにしています。キーボードの隙間にほこりが溜るとそれを取るのは大変です。やはり部屋の掃除と同じように普段から少しずつきれいにするように取り組むことが大切です。
 パソコンの中の掃除、つまりデスクトップ内の掃除のことも気になります。複数の人が使用するとここの掃除は大変でしょうが、デスクトップにいらないファイルがいっぱいあると仕事能率が下がります。スマートな仕事をするにはパソコンの外も中もすっきりさせることです。


4日(水曜日)
 明輝会ホームページをリニューアルするに当り話し合いをもちました。写真やテキストなどの素材の集まり具合にもよるかと思いますが、今月27日までに完成させるという一応の工程表を作りました。ホームページ全体を外注化するのではなく、主なページだけを外注化するのです。具体的には20ページをイーデザインという会社に作っていただく。私が今ほぼ毎日書いている『つぶやき』はこれまでどおり続けます。この部分は私自身が担当して作っていきます。バナーにリンクが埋め込んであってつながっているというわけです。このように私たち自身で作る部分とイーデザイン社が作る部分があってこれらがつながって明輝会というホームページとなるわけです。もちろんホームページのデータは内村川上内科のサーバー室にあります。


3日(火曜日)
 今日の外来診療中にハラハラすることが2つありました。ひとつはカルテをきちんと書いていなかったために1人の患者さんを不当に待たせることになりました。この件に関しては事前にしばらく待っていただくことを直接患者さんに説明したのでクレームを聞くことはありませんでしたが、もう1件はいきなりどなられてしまいました。不当に待たされてしまった怒りが一気に私に来ました。待合患者さんの流れを把握していない受付や医事課の問題と思いますが、システムが悪い、職員教育が悪いと叱られました。ごもっともだと丁重に謝りました。
 私は接遇に関してはかねてより注意を喚起しているつもりでありましたが、その点に関して監督不行き届きと言われ、かなりショックであります。カルテの大切さについても重々言っているのですが、まだまだ浸透していません。
  結局、今年の仕事始めに話したプロ意識の希薄さが露呈した結果だと思います。一人一人がワーカーにならなければいけない。少なくとも各課の責任者はそうでなければいけない。


2日(月曜日)
 きょうの往診はショッキングでした。 近所の人から2か月間ほとんど水しか飲んでいない隣人の人がおとといから動けなくなって自宅に倒れているから診察してほしいとの往診依頼がありました。初めての家に行ってみると、やせこけた老女が台所からリビングにつながる廊下にうつぶせになっていました。何とか手足を動かせるようで極端にやせた顔を振り向いて大きな目でこちらを見ました。いくつか質問するとうなずいていましたが、血圧を測るために体を動かすと急に返答できなくなりあわてて救急車要請を検討しました。
 皮膚は氷のように冷たく、手先や唇にチアノーゼがみられます。なによりも説明できないような悪臭がします。もちろん目を開けて浅く呼吸をしているので死んではいないのですが、半分死んだような人でゆっくり診察をする状況ではないのです。
 ここは吉野地区よりも市街地中心に少し近いところで、当院からクルマでおよそ20分かかります。まわりには色とりどりの家が立ち並ぶ閑静な住宅街です。その中の一軒家でおこっているできごとです。
  なぜこんな悲惨な状態になるまで家族や親戚の人は放置しているのだろうと思います。隣人の人がその異常性に限界を感じ当院に往診依頼した結果、事が解決に至るように動き出しましたが、この方が今後どうなるのかわかりません。隣人の方はきっともっと早く往診依頼したかったのでしょうが、血縁ではないので、病院嫌いで有名であったこの老女の意思を無視して病院に知らせることはできなかったのかもしれません。
  それにしても不幸な独居生活でした。このようなケースは最近私の実家の近くでもあったと聞いています。人の多く住む地域内で寂しく死んでいくケースが今後増えていくのだろうと思います。行政が一人暮らしの方々を定期的に巡回するなどしないと悲劇が減らないのではと思います。