作成者別アーカイブ: 川上 秀一

川上 秀一 について

医療法人明輝会理事長 吉野東ホームクリニック院長

高齢者の便秘について思ったこと

長くと言っても約18年になるわけだが、外来診療で長く診てきた患者さんに本音を訊くことがよくある。たとえば昨日の外来診療で長く通院中の89歳のおじいちゃんに今一番つらいことは何ですか?と訊いてみた。便が思うように出ないから死にたいと答えてくれた。私は苦笑した。快便が得られないなら死んだ方がよいと思っているのだ。高齢者が便秘で悩むことは非常に多い。多くの高齢者が刺激性下剤や緩下剤を服薬している。高齢者が便秘になりやすい原因として、水分の取り方が少ないとか、歩かないからだと言われている。もちろんそうなのだが、若いときのようにいかないのは至極当たり前。ルビプロストンカプセルという36年ぶりの新しい便秘治療薬が発売になっている。これまでの薬と作用機序が異なるので、試してみる価値があると思う。高齢者にとっていきむことなく出ることが重要で、毎日出さないといけないといきむことはよくない。

在宅カンファレンス

夕方6時半から当院会議室に5つの在宅療養支援診療所の主だった人たちが集まった。7月の在宅カンファレンスを行うためである。このカンファレンスでは各診療所の在宅医療患者数や看取り数の報告や情報共有したい症例について話し合うのだ。ところで先日iPhoneを手から滑り落として表のガラスにヒビが入り、修理に出した。したがってビジュアルなブログを書けないのが残念だ。

肝疾患ネットワーク研修会

日曜日の朝というのに早起きして9時に鹿児島大学医学部臨床第五講義室に着いた。肝疾患について最新の情報を聴くことができた。C型肝炎の治療はインターフェロン治療からDAA治療になっているのだが、DAAって何の略なんだと、最新の話についていけない。当たり前に使われて話が進んでいく。DAAとは、Direct Acting Antivirals 直接作用型抗ウイルス薬のことだった。すでに7つのDAAが出ているらしく、それぞれの薬の特徴を整理して頭にいれることができた。これらの薬は車が1台買えるほど高価であるので、私は適応と思ったら紹介してきた。これからも使う気はなく、肝臓専門医として勉強したまでなのだが。

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健康複合施設

8日土曜日は福岡市まで行き夜遅く帰ってきた。日本医療企画という総合ヘルスケア情報企業の主催するセミナーで、私は、「診療所の未来をつくる人材育成と組織管理」というテーマで話した。演者は4人の診療所院長であった。そのうちの1人は同級生で5年ぶりに会った。彼の話した医療・食・運動の3つをうまく組み合わせてメタボ病を予防するという健康複合施設には非常に興味を抱いた。懇親会で吉野地区で彼と協力して彼の完成させた医・食・運動の協働システムを展開しようと決めた。

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大学生の感想文集

先日志學館大学で医療と介護について講義をした。その感想文が送られてきた。小さな字で横書きされている。たぶん縮小コピーして字が小さくなったのだろう。小さすぎて読めない部分があったが、概ね読めた。学生さんは、在宅医療、企業主導型保育園、看取り、少子高齢化社会に興味があったようで、これらに関する感想文が多い。私の話が思った以上に伝わっているようで、うれしい。若い学生さんにはお世辞にも楽しい内容の話ではなかったが、この話を契機に日本の将来を考え、社会貢献を決意してもらったら冥利に尽きます。スクリーンショット 2017-06-28 21.01.21

志學館大学で講義

志學館大学法学部で4月12日から7月26日まで行われるキャリア概論の第10回目を担当した。「かごしま学」というキャリア概論の中で医療福祉業について90分の講義。医療と介護の総論をわかりやすく話した。志學館大学法学部大学2年生対象の講義であったが、熱心にノートを取り、うなずく態度が見て取れた。最後、志賀准教授にメッセージを求められた。そこで、来るべき日本社会は非常に厳しいだろうが、荒波にのまれることがないよう頑張ってほしいとエールを送った。スクリーンショット 2017-06-21 17.26.11

日本在宅医学会in名古屋

名古屋から帰ってきました。今回の学会で一番良かったことは石飛幸三先生の講演を聴けたこと。平穏死を最初に提唱した先生です。82歳になられた先生の言葉には説得力がありました。外科医として治す医療を続けてきた先生がある日メスを置き、特養の配置医になる。そこで生まれた言葉が平穏死。実に説得ある話がたくさんありました。

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カキツバタ

毎年梅雨に入るころ、ここはお花畑になります。在宅医療でお花畑の前の道路をよく通りますが、昨日から梅雨になり、雨がしとしとと情緒的に降っています。その影響なのか空気が澄み、花の色が鮮やかです。運転手さんもそう感じられたのでしょう。自然とベストな位置にクルマを停めていただいて、一瞬で撮影したのが、この写真です。白と紫のカキツバタが映えています。さて、今だに私は、アヤメ、ショウブ、カキツバタの区別ができません。だからカキツバタと書いたのはまちがっているかもしれません。その時はごめんなさい。

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園芸療法

ビビッド・ファームにデイサービススマイルの利用者の方々が数人来られていました。クワを持って作業する人もいました。普段の姿からは想像できない活き活きさをみせていました。これぞ、園芸療法の最大のメリットでしょう。私は11月収穫する深ネギを植えました。

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久しぶりの鹿児島市内科医会出席

久しぶりに鹿児島市医師会の内科医会に出席しました。テーマはFH、家族性高コレステロール血症である。肝臓病と関わりのあった私にはFHと聞くと劇症肝炎と思われて恐怖感を覚える。それにしても、歯切れの良い有益な講演であったと思う。脂質代謝がわかったような気分になれた。脂質異常症を疑ったら、若くして突然死した人がいないかと家族背景を訊かなければいけない。無治療のFHの人が20代で脳梗塞を起こすことは少しも珍しくないらしい。これからは初診の脂質異常症に接したら瞳孔をしっかり見てアキレス腱を触らなければならない。思った以上にFHは多いらしく、鹿児島県には五千人ほどいるらしい。

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