カテゴリー別アーカイブ: おいどんと林檎

学会出席のため東京

日本消化器病学会が東京高輪で開催されています。今朝溝辺空港から羽田空港に移動しました。すぐに学会会場に着いて夕方まで聴講。たいへん勉強になりました。知り合いがほとんどいなかったことが寂しいです。今回は一人旅のため、国立の親戚宅に遊びに行き、ホテルに帰ってきたのは11時すぎ。駅や電車の中で改めて東京は人が多すぎると思いました。そしてほとんどの人がスマホを見つめて何かしている。人はいっぱいいるのに人と人の繋がりのない空間はとても変です。

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マイナンバー勉強会と海外研修報告会

 

アフターワーク。多くの職員が集まってきました。法人での運用を想定して社会労務士からマイナンバー制度について教えてもらいました。20分程度の短い時間でしたが、とても有意義でした。講師の先生、ありがとうございました。

2席目は、当法人グループホームの管理者が先月スウェーデンに短期研修に行った報告会でした。公募で選ばれたわずか10人のうちの1人として参加したわけです。これだけでもすごいと思います。非常に丁寧な説明のもと話が進みましたが、30分で済ますにはとても足りませんでした。誠に申し訳ないけど、45分で終わってもらいました。とても興味のある内容、きれいな写真がいっぱい。たくさん質問したかったけれども、質問タイムはありませんでした。他の人もいろいろ訊いてみたいことがあったはず。それにしてもさすが福祉先進国スウェーデンと思いました。

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嫌われる勇気

2,3週間かかってやっと「嫌われる勇気」を読み終えました。この本は去年の今頃話題沸騰した本です。アルフレッド・アドラーという心理学者の提唱する心理学を二人の日本人著者が哲人と青年を登場させて対話方式で、アドラー心理学を展開させています。結構面白いので楽しく読みましたが、結局一風変わった心理学なので読後あまり具体的な思考が残っていません。ただ、アドラー心理学ではトラウマを否定しているので、この点はとくに興味深く読みました。私たちの理解する精神科の教科書とは対立する考えかもしれません。フロイト心理学では、トラウマを過去のできごとが原因であるとする原因論ですが、アドラー心理学では、トラウマの存在を否定しています。過去が現在のことを決定するという立場を否定します。目的を達成したいから今の感情を作り出すというように考えるのがアドラー心理学です。他にもいろいろ新鮮というか、斬新というか、興味深く本を読みました。

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パニック

今朝5時半のことです。久しぶりに本当にパニックになりました。学生時代の試験で残り時間10分のときに大問が2つ残っている状態です。その時のような気分になりました。家内は東京出張と書きましたが、つまり親子3人ということ。朝寝坊常習犯の二人の子供の弁当を作っている最中に携帯電話が鳴ったのです。妻からのモーニングコールではなくて、往診依頼の電話です。しかも依頼内容が意識がなくなっていて呼吸をしていないようだとのこと。あと10分あればもう1つか2つおかずを作って弁当完成のはずでしたが、ここですべて中止。一番難解な子供を起こすという作業に移りました。並行して弁当を完成させようとしましたが、おかずの数が足りなくて同じ具材を詰め込みました。悲惨な三色そぼろ弁当になってしまいました。パニックになりながらも二人の子供に朝食を食べさせて送り出し、ちゃんと1時間後には患者さんの自宅に着きました。残念ながら看取ることになりましたが、かれこれ15年間診てきた患者さんだったので、ご家族から朝早くからありがとうございますと、深々と頭を下げられました。最後の診察をしてこれまでのことを家族と話し、そして帰りました。一般に在宅医療にはスピードは要求されないと思いますが、やはり往診依頼があると、あわてます。今回のような事情があるとパニックです。さて、帰宅した子供たちからは味はまあまあだったけど、途中で飽きたとの感想を頂戴しました。

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自宅庭整備

最近少しずつ自宅庭の整備をしています。この作業はとても自分に合っています。まず、人に邪魔されることなく黙々と手を動かしていくうちにだんだんときれいになっていく、その間に色々なアイデアが浮かんで頭のリフレッシュになるからです。

日曜日の今日。午前中は自宅でこうして過ごし、昼からは院長室に篭って、看取りのケースレポートを3例分まとめました。家内が東京へ学会に行っているので、子供たちと夕食を作って食べました。充実です。

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すがすがしい日

久しぶりに天気がよくて、気温も程よく下がってすがすがしい日を過ごしました。もちろん仕事でしたが、気持よく外来診療に取り組めました。

女子高校生が走れない。疲れやすいから貧血の検査してくださいとやってきた。眼瞼結膜と唇の色を見て大丈夫と思うけどと言いながら、血液検査をしてみた。ヘモグロビン値9%台。やっぱり自覚症状は大事だな、眼瞼結膜を見ても重篤な貧血じゃないとわからないなと言い訳をつぶやいてみた。確か教科書にはヘモグロビン値10を割ると眼瞼結膜で貧血がわかると書いてあったはず。

それからも難しいケースの患者さんがいっぱい来て、終わるころは昼の1時前。昼休みにちょっとうたた寝をして目が覚めたとき、今自分がどこにいるのかさっぱりわからなかった。最初宮崎の病院かと思ったが、外から声が聞こえて内村川上内科に居るのだとわかった。それほど深く眠り込んでしまった。

消化管ドッグ

今年も消化管ドッグを済ませました。毎年、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラをしているわけです。脂肪肝や消化管の過形成ポリープがあるということで毎年受けていますが、連年どおりでした。ホッとしました。事前に実施していた血液検査は全項目正常値。また、一年頑張って仕事をしていきたいです。最近のニュースで芸能人の癌の話題がありますが、彼ら彼女らはいい意味で癌の早期発見早期治療のために検診を受けましょうという動きに貢献しています。自分の健康は自分が責任を持って管理するということです。今の癌は早期であれば90%以上の確立で治ります。そしてステージが悪くても昔よりもはるかに長い月日を家族と過ごすことができます。固形癌のステージ4は余命3か月以内という時代ではなくなっています。

ドルミカム3.5mgを静注して気持よく眠っている私。これで溜まった疲れもすっかり取れました。

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妻の病

「妻の病」という映画、レビー小体型認知症を啓蒙するために作られた映画を昨夜見ました。90分間のドキュメンタリー映画で、実際の認知症の患者さんとその夫が出演している15年間の記録映画。患者さんは小児科医の院長夫人。開業後まもなく物忘れが始まり、不安と恐怖の世界が始まったということです。今こそ社会問題化している若年性認知症でもあります。夫婦形態が3回も壊れたが、何とか頑張って今が一番幸せかもしれないと、この小児科の先生は言っておられました。それはそうだと思います。毎日仕事で何十人もの病人と接する。そしてその都度正確な医学的判断をしなければならない。相手によっては病気の説明を丁寧にしなければならない。仕事から解放されたら家庭では認知症の妻を看なければならない。医師としての社会貢献もしなければならない。この先生がうつ病になって休診を続けた時期があったと告白しておられたが、それでもこの先生にはすばらしい人間力が備わっていると思いました。最後に、先生は医療人に対しては患者さんの立場(世界)から周りを見ることが大切、介護の力はすごいと改めて知ったと感想を述べられていた。

この映画は、当法人の職員が会長を務めている介護支援専門員協会鹿児島(HP: http://cm-kagoshima.com)の主催で上映されました。昼の部と夜の部があって大勢の方が来られていました。

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ある患者さんの死

水曜日午前中は私は予約された検査やそのほかに時間のかかる医療行為をする日と決めています。だから、きょうはエコー、内視鏡検査そしてボトックス注射をしました。その中の女性患者さんで腹部エコーに来られた方がいました。予約簿を見て、私はハッとしました。この方の旦那様はどうなったのだろう。倒れて緊急搬送され搬送先の病院から医療情報提供を求められ提供したという経緯がありました。おはようございますと挨拶をして、すぐに旦那様のことを尋ねました。するとすぐに横にいた看護師が患者さんの涙を拭きました。そうだったのかと直感し、いつだったのですかと、私はどんどん質問をしてしまいました。夫婦ふたりの健康管理を10年以上してきて、今のところ大丈夫ですと言ってきたのに。くも膜下出血を起こして自宅の庭掃除中に亡くなったそうです。ものの30分も経たないうちに呼吸が止まったので、近くにいた高校生の孫さんがすぐに蘇生を始めて息を吹き返したというからドラマみたいです。私の大好きな患者さんでした。いつも私の診察が終わると元気になったと喜ばれ、診察室のドアを開けてからもう一度振り向いて、笑顔で手を上げて帰って行かれる方でした。まさか脳動脈瘤があったとは、さすがにみつけられなかった。残念です。もっと長生きしてもらうつもりだったのに。

集団的個別指導

昨日午後は九州厚生局から集団的個別指導を2時間にわたり受けました。受けた医療機関は鹿児島県内から70くらい。それぞれ医療機関管理者(院長)と事務長、大きな病院は複数の事務方を引き連れての参加。私はこれで2回めです。レセプト点数が高い方から8%が呼び出されるという規則があって、とくに悪いことはしてないのです。実は当院は在宅療養支援診療所の中で2位、全国でも16位でした。再来年度上位から4%だと個別指導になります。このデータだと必ず個別指導になります。これまで以上に丁寧にカルテを書くということが大事だということです。