長くと言っても約18年になるわけだが、外来診療で長く診てきた患者さんに本音を訊くことがよくある。たとえば昨日の外来診療で長く通院中の89歳のおじいちゃんに今一番つらいことは何ですか?と訊いてみた。便が思うように出ないから死にたいと答えてくれた。私は苦笑した。快便が得られないなら死んだ方がよいと思っているのだ。高齢者が便秘で悩むことは非常に多い。多くの高齢者が刺激性下剤や緩下剤を服薬している。高齢者が便秘になりやすい原因として、水分の取り方が少ないとか、歩かないからだと言われている。もちろんそうなのだが、若いときのようにいかないのは至極当たり前。ルビプロストンカプセルという36年ぶりの新しい便秘治療薬が発売になっている。これまでの薬と作用機序が異なるので、試してみる価値があると思う。高齢者にとっていきむことなく出ることが重要で、毎日出さないといけないといきむことはよくない。
高齢者の便秘について思ったこと
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