日別アーカイブ: 2021年3月30日

かわかん通信春号あいさつ文

かわかん通信の春号の準備をしています。私の原稿が遅れていましたが、昨日編集責任者に原稿を送ったので、まもなく印刷作業を経て配布するようです。かわかん通信は在宅医療を受けている患者さん一人ひとりに配布していますが、この場にも公開します。
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吉野東ホームクリニックの在宅患者数は3月現在84人で、そのうち施設入居者が67人です。私は施設に入居している在宅患者さんから家族に会いたいという声をこれまで何度も聞きました。聞くたびに「今世間では新型コロナという病気が流行っていて、どこの施設も家族との面会を制限しているのです。ごめんなさい。もう少し我慢してください。」と言ってきました。説明するたびに患者さんが本当にかわいそうに見えました。高齢者では、新型コロナウイルス感染症重症化率が年齢が上がるほど高くなることがわかっているので、絶対に新型コロナウイルスを施設に持ち込ませてはいけないという施設方針により面会制限が続いていました。高齢者を新型コロナウイルスから守るという施設の作ったルールが高齢者に悪い影響を及ぼしていることはわかっていました。つまり、新しく認知症が始まったり、すでにある認知症が進行する人も出てきました。そのためにこれではいけないと、ガラス越しに会わせたりパソコンやタブレットを使ってみたりと工夫することになりました。
1都3県の緊急事態宣言の解除により、当法人の施設においても辛い時期は開けました。県内に住んでいる方ならば、面会時間15分以内、2人まで面会できるようになりました。完全な面会解除ではありませんが、これで高齢者とその家族が少しずつ安心できると思います。しかし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の終息は見えません。流行の状況によっては再び面会制限をせざるを得ないと思います。
さて、周りを見ると、いつの間にか新緑の季節です。桜も満開です。桜の開花が例年より早過ぎる気がしますが、それは2月が暖かったからかもしれません。桜の花ばかりでなく、他にもいろんな花が咲いています。木々の枝が伸び、新芽が出て、力強い息吹きを感じる季節です。きっと在宅で療養を続けられている患者さんとそのご家族が新型コロナウイルス感染症に感染することなく、また在宅患者さんが長く元気に療養できるように応援しているのでしょう。(かわかん通信 理事長あいさつ文から)