今年8月24日に診察後、鹿児島医療センターに緊急搬送した61歳の男性患者さんが元気な顔をみせてくれました。うれしい再会です。
その日の午前中の外来数は24人。そのうち、感染外来が2人、新型コロナウイルスワクチン接種者が6人、腹部エコー検査実施者が2人でした。とても忙しかった外来が終わろうとする11時52分に朝から急に背中の内側が痛くなってきたと歩いて来られました。体が熱い感じがするとも話していました。急いで血液検査、心電図検査、レントゲン撮影をしましたが、白血球数が2万以上に増えているものの、好中球は増えていませんでした。しかもCRPは陰性。心電図もレントゲンにも異常はみられません。いわゆる急性腰痛症かなと、本人を外来診察室に呼んで説明をしていると、だんだん患者さんは何かきつそうな様子になり、冷や汗をかき始めました。何か重大なことが体で起こっていますから、エコーをしてみましょうと提案し、腹部エコーを始めました、すぐに腹部大動脈をみることにしました。プローブを当てて驚きました。腹部大動脈の内腔の半分以上が血栓で占められていたからです。動脈瘤破裂ではありませんでしたが、大動脈解離と疑い、医療センターに電話をかけ、すぐに搬送することができました。その日の夕方、急性大動脈解離Stanford B, IIIbと診断だったと連絡がありました。
まさか、歩いて来た患者が急性大動脈解離だったとは驚きました。そして、今日一礼して診察室に入って来られた患者とほんとうに良かったと再会を喜びました。
うれしい再会
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