訪問診療医が散弾銃で殺されるという陰惨な事件が先日埼玉県で起こりましたが、一体患者あるいは患者家族と主治医との間にどういうトラブルがあったのでしょう。報道されている情報が少しずつ明かされていますが、90代の母親を介護している60代息子と終末期の栄養管理(カロリー摂取方法)について主治医との間で何かあったように思われます。憶測で書くことはいけないので、ここからは事件を離れることにして、私がこれまで患者あるいは患者家族と終末期に決めるべきことをどうしてきたかと言うと、選択肢を提示して、なるべく早く決定してもらい実行してきました。例えば、食事をとれなくなって胃ろうを造って欲しい、認知症が進んだから専門病院に紹介して欲しいなど家族側から頼まれたら、すぐに実行に移すことが大切だと思っています。在宅医療はゆっくりと人生の最後を過ごし最期を迎える医療と私は思っているのですが、しかし、本人や家族の思いは最優先されるので、診療速度を上げて、少しやりすぎな治療をすることになることもあります。また、在宅医療は多職種が参加するものですから、実は訪問診療以外の場面においても問題が起こっているのです。その原因は患者の生活空間に入っていく訳ですから。
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