月別アーカイブ: 2015年10月

消化管ドッグ

今年も消化管ドッグを済ませました。毎年、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラをしているわけです。脂肪肝や消化管の過形成ポリープがあるということで毎年受けていますが、連年どおりでした。ホッとしました。事前に実施していた血液検査は全項目正常値。また、一年頑張って仕事をしていきたいです。最近のニュースで芸能人の癌の話題がありますが、彼ら彼女らはいい意味で癌の早期発見早期治療のために検診を受けましょうという動きに貢献しています。自分の健康は自分が責任を持って管理するということです。今の癌は早期であれば90%以上の確立で治ります。そしてステージが悪くても昔よりもはるかに長い月日を家族と過ごすことができます。固形癌のステージ4は余命3か月以内という時代ではなくなっています。

ドルミカム3.5mgを静注して気持よく眠っている私。これで溜まった疲れもすっかり取れました。

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妻の病

「妻の病」という映画、レビー小体型認知症を啓蒙するために作られた映画を昨夜見ました。90分間のドキュメンタリー映画で、実際の認知症の患者さんとその夫が出演している15年間の記録映画。患者さんは小児科医の院長夫人。開業後まもなく物忘れが始まり、不安と恐怖の世界が始まったということです。今こそ社会問題化している若年性認知症でもあります。夫婦形態が3回も壊れたが、何とか頑張って今が一番幸せかもしれないと、この小児科の先生は言っておられました。それはそうだと思います。毎日仕事で何十人もの病人と接する。そしてその都度正確な医学的判断をしなければならない。相手によっては病気の説明を丁寧にしなければならない。仕事から解放されたら家庭では認知症の妻を看なければならない。医師としての社会貢献もしなければならない。この先生がうつ病になって休診を続けた時期があったと告白しておられたが、それでもこの先生にはすばらしい人間力が備わっていると思いました。最後に、先生は医療人に対しては患者さんの立場(世界)から周りを見ることが大切、介護の力はすごいと改めて知ったと感想を述べられていた。

この映画は、当法人の職員が会長を務めている介護支援専門員協会鹿児島(HP: http://cm-kagoshima.com)の主催で上映されました。昼の部と夜の部があって大勢の方が来られていました。

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ある患者さんの死

水曜日午前中は私は予約された検査やそのほかに時間のかかる医療行為をする日と決めています。だから、きょうはエコー、内視鏡検査そしてボトックス注射をしました。その中の女性患者さんで腹部エコーに来られた方がいました。予約簿を見て、私はハッとしました。この方の旦那様はどうなったのだろう。倒れて緊急搬送され搬送先の病院から医療情報提供を求められ提供したという経緯がありました。おはようございますと挨拶をして、すぐに旦那様のことを尋ねました。するとすぐに横にいた看護師が患者さんの涙を拭きました。そうだったのかと直感し、いつだったのですかと、私はどんどん質問をしてしまいました。夫婦ふたりの健康管理を10年以上してきて、今のところ大丈夫ですと言ってきたのに。くも膜下出血を起こして自宅の庭掃除中に亡くなったそうです。ものの30分も経たないうちに呼吸が止まったので、近くにいた高校生の孫さんがすぐに蘇生を始めて息を吹き返したというからドラマみたいです。私の大好きな患者さんでした。いつも私の診察が終わると元気になったと喜ばれ、診察室のドアを開けてからもう一度振り向いて、笑顔で手を上げて帰って行かれる方でした。まさか脳動脈瘤があったとは、さすがにみつけられなかった。残念です。もっと長生きしてもらうつもりだったのに。