日別アーカイブ: 2015年10月1日

ある患者さんの死

水曜日午前中は私は予約された検査やそのほかに時間のかかる医療行為をする日と決めています。だから、きょうはエコー、内視鏡検査そしてボトックス注射をしました。その中の女性患者さんで腹部エコーに来られた方がいました。予約簿を見て、私はハッとしました。この方の旦那様はどうなったのだろう。倒れて緊急搬送され搬送先の病院から医療情報提供を求められ提供したという経緯がありました。おはようございますと挨拶をして、すぐに旦那様のことを尋ねました。するとすぐに横にいた看護師が患者さんの涙を拭きました。そうだったのかと直感し、いつだったのですかと、私はどんどん質問をしてしまいました。夫婦ふたりの健康管理を10年以上してきて、今のところ大丈夫ですと言ってきたのに。くも膜下出血を起こして自宅の庭掃除中に亡くなったそうです。ものの30分も経たないうちに呼吸が止まったので、近くにいた高校生の孫さんがすぐに蘇生を始めて息を吹き返したというからドラマみたいです。私の大好きな患者さんでした。いつも私の診察が終わると元気になったと喜ばれ、診察室のドアを開けてからもう一度振り向いて、笑顔で手を上げて帰って行かれる方でした。まさか脳動脈瘤があったとは、さすがにみつけられなかった。残念です。もっと長生きしてもらうつもりだったのに。